業界もキャリアも、これからがこれまでを決めていく

前職とestie

これまでのキャリアと代表平井との出会い

前職はシービーアールイー株式会社という仲介会社で、オフィス仲介の営業部とビジネスデベロップメント部を経験し、現場営業からWebマーケティング、組織運営まで幅広く携わらせていただきました。新卒で入社したCBREは、何でも挑戦させてもらえるありがたい環境で、後にも記述していますが熱量高く走り続けた5年間でした。

そんな中で、estie代表の平井と出会ったのは2019年冬、コロナが流行る前にGlobis Capital Partnersの方主催の飲み会の席です。ご縁があって参加させていただいたところ、目の前に座ったのが平井でした。そこからオフィスに呼んでもらったり、ときには他のメンバーから仲介業について質問攻めに遭うこともありました。

その翌年にオファーをもらい、お断りした

何度か平井やメンバーと会っているうちに、手紙付きのオファーをいただきましたが、結論お断りしました。「最後はえいやで決めてほしい」と言われていましたが(笑)、前職の職場環境にも満足しており、且つ業界の商慣習を考えると、納得のいく転職理由を挙げきれなかったことが理由です。

また、この期間、前職の先輩たちの知見を借りながら、業界の商慣習について考え抜きました。情報がなぜ属人的に取り扱われるのか、守秘性の高い情報はいつどのように流通するのか、ホワイトボードとノートを使って徹底的に言語化したため、業界の解像度があがったように思います。同時に組織が商慣習に合わせてどのように人を配置しているのかも理解でき、このオファーをきっかけに、現在に繋がる多くを学ばせてもらいました。

estieで何をどうしたいか

estieでは、自分がこれまで関わってきたオフィス領域について、「最適な情報」を「最適な企業に届ける」ということを実現したいです。

では、最適な企業とは何か? 仲介会社目線で見たときの私の答えは、お客様(テナント側)から信頼され、頼りにされている仲介会社や、そこに所属する仲介営業マンです。

次に、どうやって届けるのか? 現時点では、estieのプロダクトで滑らかにできる情報流通(公開情報)と、そうでない情報流通(非公開情報)が存在すると考えていて、足元ではまず、前者について推し進めたいです。

オフィス仲介という仕事

前職で見てきた「仲介業」は、複雑でクリエイティブな仕事でした。 閉鎖的且つ属人的な(不動産の生きた)情報を日々追いかけ、オーナーの要望とテナントの要望も把握して最適なオフィスマッチングを追求する、答えのない業務です。夜な夜なテナント側の担当者と社内承認に向けた戦略を練ったり、ビルの担当者の元へ何度も訪問し説得を試みたり、営業時代に仲介させていただいた商談は、今でも鮮明に記憶に残っています。かなりのハードワークでしたが、最後に両社から感謝いただく瞬間が、自身の業務に誇りをもたせてくれていました。

複雑なプロセス ー 現実

顧客と向かい合い、最適解を検討してはPDCAを回し、最終的な着地点を見出すという行為は、どの職業でも通ずる業務だと思います。しかし、仲介業務に置き換えると、より一段と複雑になります。マーケットに出ている複数の物件に対して、各オーナーとコンタクトを取り、相談いただいたテナント側へ提案していく。その都度マーケットや個別物件の引き合い状況、変わりやすいテナント側の社内ニーズや、競合の提案状況を見極めて的確に行動していくことは、精神的にも物理的にも大変なプロセスでした。詳細は割愛しますが、商談をクローズさせるまでに考えなければならない工程が非常に多いです。

また、コロナ禍でこそオンライン面談が増えたタイミングもありましたが、多くの場合は対面で顧客、特にオーナーと話をします。なぜなら、そこでしか流通しえない情報があるからです。

情報取得のプロセスを滑らかにして、コンサル業に専念する ー 理想

業界に存在する「公開」と「非公開」とに分類される情報について、今後どう取り扱っていきたいか、自身の思いも含め記載していきます。

これらのうち、デジタル化できる情報からestieで整備し、最速で仲介会社へ届けたいです。また、将来的には「非公開情報」に部類される守秘性の高い情報も、上手く取り扱っていける仕組みや文化を醸成したいです。それらが叶う日には、情報収集というビルオーナー毎に発生する属人的な作業がなくなり、仲介業務は対オーナー、対顧客に対しての「コンサル業」へシフトしていくと考えます。

このようにして、仲介会社の現状業務のうち、「情報収集」に費やす時間を引き算し、顧客の課題解決に向けたアプローチに時間を割けるように尽力したいです。 あくまで理想ですが、イメージとしては、必要なときに鮮度の高い物件情報が仲介営業マンの手元にある状態であること。また、ビル側から仲介会社へのあらゆる情報発信がestie上で管理でき、反響も分かる。その他、内覧調整がサクサクできたり、居抜きやセットアップにおいては内装資料が反映されていたり、さらには駐車場の空き情報まで分かったら助かるな、と先の未来を日々妄想しています。

まだまだ道のりは長いように思えますが、入社して驚愕したのは、設立3年目のestieがすでに8万棟以上の情報量を整備しているという事実でした。このことや、各社ご導入・提携リリースなどから、少しずつオフィス業界の変化が始まっているように思えます。

仲介業はなくならないと思う

仲介営業マンであれば共感いただけると信じていますが、オフィスの情報は刻一刻と更新され、所有するオーナーによっても、マーケットによっても、状況が変わっていきます。オーナーとテナントが直接マッチングをする場合、両社に寄り添った結論が出れば良い商談と言えるので推奨したいです。ただ、現状の商慣習のなかでオフィス契約の知見に乏しい「テナント」にとっての最適解を見つけるには、やはり仲介会社の専門性が必要だと考えます。

ただし、今後「estieでやりたいこと」が実現していくと、現状の仲介業は形を変えながら更に価値の高い職種になっていくと思います。これが、不動産市場のアップデートに直結していくと信じています。

入社前にアメリカの商慣習を確かめてきた

アメリカと日本の商慣習の違い

estieの創業ストーリーとも関係深い海外の商慣習について、自身の目で確かめたく、入社前に前職のLAオフィスを訪問しました。結論、各プレーヤーの立ち位置から報酬形態まで、商慣習がまるで違いました。

1つ大きな違いを取り上げるとすると、他業者と競合するタイミングです。 日本の仲介業は、物件情報量で優位性を確立し、お客様から選んでいただくことが多々あります。一方でアメリカでは、顧客への専任(レップ)提案時に他社と競合します。物件情報という形式的な判断軸ではなく、”どれだけ自社に付加価値を提供できるか”について、これまでの実績や提案内容、人柄などから総合的に選ばれる商慣習です。

物件情報の取得合戦になりつつある日本の商慣習と比較すると、とても合理的に思えました。そこで信頼を得て選んでいただいた営業マンは、顧客の課題解決のために尽力し、満足度が高ければ次回のリピートに繋がります。

加えて、この商慣習は、物件情報の流通を滑らかにすることを可能にしています。アメリカでは、物件情報はすべて1つの情報プラットホーム(日本でいうレインズのような第三社法人)によって集約・整備され、公開されています。その利用はかなり浸透している様子で、日本に例えるなら仲介会社が企業規模関係なく、同じ情報サイトを見て顧客提案を行っている状況です。

おわりに

estieをひとことで表すと、”テーマが広い夏休みの自由研究に対して、最強な作品を作り上げてくる人たちの集まり”だと思います。これは入社して1ヶ月、自分のアウトプットレベルに不安を感じて母に相談した時に思いついた表現です(笑)。母からは「これからの行動が、これまでを決めるのでは」とアドバイスをもらい、そのまま記事のタイトルにしました。

estieでは、唯一の仲介会社出身として業界の知見や商慣習について意見を求められる機会が多くあるので、今後も勉強を続けながら、良いプロダクト作りに貢献したいです。

そして、今回の転職含め、自分のキャリアに多くの機会をくれた前職へ、estieを通じて貢献していくことが近い将来の目標です。

以上、ここまで読んでくださってありがとうございました。 一緒にチャレンジしたいという方、少しでも気になるという方は、カジュアルにてお話させていただければと思います。お気軽にお声がけください!

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