estieの2年目を振り返ってみる

はじめまして、株式会社estie(エスティ)の代表をしている平井と申します。

昨年に続き12月11日がやってまいりました。今年はCOVID-19(新型コロナウイルス)の世界的流行により、日常生活、そして企業活動も否応なく変化が求められた一年でしたね。 そんな中で、株式会社estieはなんとか設立登記から2年を迎えることができました 🎉

▼一年前の記事はこちら inside.estie.co.jp

この記事ではestieの2年目を振り返ることを通じて、 「シード期のスタートアップが、もがきながら顧客対話、プロダクト開発、仲間集めを行い、成長のタネが芽を出すまでのアレコレ」 を赤裸々にご紹介します!

▼ こんな方を対象としています

  • シード〜プレシリーズAのスタートアップ成長期のカオスに興味がある!
  • エンタープライズSaaSのプロダクト開発における試行錯誤が気になる!
  • スタートアップ30人の壁を超えるチャレンジをしたい!

まずは簡単にestieのご紹介

はじめに、当社のことを簡単にご紹介すると、

  • 12兆円を誇る商業用不動産市場のデータプラットフォーマーを目指す
  • 事業開始から約1年で東急、日鉄興和不動産、森ビルといった業界大手にもサービス提供開始
  • まだまだ創業者を含めて16名の少数精鋭チーム(仲間が・・・足りません・・・!!)
  • 2020年6月にGCP、UTECからプレシリーズAで約2.5億円の資金調達

激動の2020年、2年目のestieはお客様やチームメンバーの力により、大きく成長することができました!2019年12月時点と比較した2020年12月現在の姿はこちらです!!

詳しくは会社紹介資料をチェックしてみてください!

speakerdeck.com

では、早速いってみましょう!

2019年12月〜2020年3月:飛躍のための準備

プロダクトリニューアル計画の始動

2019年9月に不動産投資家向けにリリースしたestie proは、リリース当初より世界最大級の不動産ファンドに導入されるなど、順調な滑り出しかと思われました。

しかし、意気揚々と商談に臨むと、思った以上に反応がよくない!!!

こうしてプロダクトのリニューアルのため、2019年12月にはPdMのゆーぶん主導で新プロダクトのローンチカスタマーとなる不動産デベロッパーや仲介会社の方々との対話をスタートしたのでした。

サービス導入前にも関わらず、多いときで週一で定例に応じてくださったローンチカスタマーの皆様には感謝してもしきれません。

inside.estie.co.jp

株式会社ヴィスとのパートナーシップ

また2019年12月は、オフィス探しの強力なパートナーとなるヴィスさんと初めてお会いしたタイミングでした。ヴィスさんは、デザイナーズオフィスの先駆けとして『はたらく人々を幸せに。』するオフィス環境を創りあげてきた実績のある会社です。

そんな市場を切り拓いてきた実績のあるヴィスさんがestieに目を向けて下さったのは「顧客が理想とするオフィスとスムースに出会う仕組みを作りたい」という同じ想いを共有できたことがポイントだったのかなと思っています。

ちなみにこの案件も僕がまとめたわけではなく、PRを担当している梨理子が自ら動き、ヴィスさんの常務以下、ご担当の皆様に大いに助けられながら実現してくれたものです。

湯浅エムレ秀和という漢

「あれ?平井さん今日打ち合わせじゃなかったですっけ?」

2020年1月のとある日、一通のメッセージが平井の携帯に届きました。そう、大切なVCへの初ピッチを無言ブッチしてしまったのです(シンプルな僕のミスです。反省してます)。何を隠そうこれが半年後、プレシリーズAで新たな投資家として参画していただくグロービス・キャピタル・パートナーズのエムレさんとの出会いでした(※まだ出会えていません)。

エムレさんとはその後、約2週間に一度のディスカッションを重ね、我々のチーム以上にestieの強み・弱みや戦略の練り込み、あらゆる人の紹介等、投資前にも関わらずチームの一員かのように強くコミットしていただいたことをよく覚えています。

初対面の印象は「めちゃくちゃ頭が切れるクールな投資家」でしたが、1年間一緒に仕事して印象はガラッと変わり、言い方が正しいかは分からないですが「めちゃくちゃ人間味のある兄貴」のような存在になりました。estieの成功や失敗に心の底から喜んだり悩んだりしてくれる、惜しみなく時間と知恵と手と足とその他なんでもを提供してくれる、とても心強い仲間です。

思い返せばシードでも、半年以上のビジネスディスカッションを通じて資金調達を行ったので、少なくとも僕には中長期的に信頼関係を築いていくスタイルが合っているのかなと思っています。

エムレさんとバレンタインデーランチなどでの議論を経て、お互いに納得感を持って「いざ資金調達のプロセスに!!」と思った矢先、2020年を語るに避けられない例の事象が発生します。2020年4月7日、緊急事態宣言の発令です。

2020年1月のオフィスの様子

2020年4月〜2020年8月:コロナ禍での資金調達と事業成長

噴出するオフィス不要論

estieは、オフィスなど商業用(≒非居住用)不動産業界に向けたVertical SaaSを提供しています。お客さんはビルオーナーや仲介会社、つまり「オフィスの価値を信じ、顧客にとって価値のある物理空間を提供することを生業としている方々」です。

4月から始まる緊急事態宣言下、業界全体としてオフィスの実稼働は減り、移転計画はストップ、解約も目立ち始める、といった状況は、事実として多くの不動産事業者の収益に影響を与えました。そんな中でestieのチームは改めて、人と人が集まる場所の価値を信じ、「オフィスは会社の価値創造の心臓部である」という信念を共有するこの業界、そしてその場所で成長を志す全ての企業を、データとテクノロジーの力で支えたいと強く思うようになりました。

その後、Google/Apple/Amazonと中心としたシリコンバレーの企業でオフィスの価値への再認識が進み、同地でもリモートワークのプロコンについてよく議論がなされるようになりました。

日本でもオフィス解約の撤回、オンラインとオフライン使い分けのベストプラクティスなどがちらほら聞こえ始め、2020年12月現在では多くの不動産会社で売上も徐々に戻りつつあると聞きます。

坂本教晃という漢

「平井さん、こんな状況だからこそ、早く、そして大きく攻めましょう」

プロダクトリニューアル、営業戦略の立案・実行と、課題盛りだくさんな当時のestieで、僕が何をしていたかと言うと、年明けから準備を進めていたプレシリーズAの資金調達です。背中を押した言葉が、このUTEC坂本さんの発言です。

彼のことを簡単にご紹介します。3点でまとめないとソワソワすると聞いたので、3点です。本当は4点目で「1杯目からノンアルコールビール」と紹介したかったのですが、泣く泣くカットです。

  • Forbes「日本で最も影響力のあるベンチャー投資家 BEST10 2021」第3位
  • Mckinsey出身の超ロジカルモンスターと見せかけて熱い漢
  • シードフェーズのestieに投資をし、取締役として成長にコミット

実はestie、超筋肉質な経営でキャッシュにはそれなりに余裕がありました。そんな中でも坂本さんの一言が背中を押した要因は、ひとえに彼の姿勢が創業から常に「estieの経営者」だったからです。「先に言っちゃうと株主としての意見は〇〇です。ただ、estieの取締役として言うと△△だと思います」という彼のコミュニケーションスタイルは、信頼に足る仲間として必須の姿勢だと思い、自分がチームと接するときも常に真似をさせてもらってます。

事業急拡大

こうしてZoomでの投資委員会、電子捺印による投資契約といった新時代の資金調達を経験しながら、GCPエムレさん、UTEC坂本さんという超強力な仲間と事業成長を目指す体制を構築できました。調達前から半年間、エムレさんと議論してきた新戦略に基づいた事業運営のスタートです。

ちなみにこの間も事業を伸ばしてくれたメンバーを見て、プロダクト開発、営業CSのどれをとっても、チームとしての底力がレベルアップした瞬間だったと感じています。業界の大手企業からサービス導入が続々と進み、コロナ禍の月次売上収入は2020年12月現在に至るまで、平均して毎月約40%もの成長を記録しています。

ここでの個人的な学びをまとめると、当たり前すぎますが以下のようになるかなと思います。

  • 顧客の行動が全てであり、まず会う、聞く。そこから帰納法的に仮説を構築していく
  • 仮説検証までの最短タイムラインを引き、脇目も振らずに終わらせる。朝令暮改を繰り返す
  • 最短検証サイクルを回しつつ、無理矢理1年後、3年後へ思考を飛ばす。布石を打つ

個人的な話ですが、社長として初めてチャレンジしたのは、「↑のサイクルをチームメンバーが自発的に行うあらゆる素地を整えること」です。「矢面・当事者・マイボール」の精神で、現場仕事全力投球が正義と信じていた2019年とは一番大きな変化かもしれません(精神自体は変わってないです)。

ちなみに、ここで言う「素地」とは、以下のようなものかなと思っています。まだ修行中です。

  • 明快な事業方針を経緯とともにテキスト化すること
  • 変化の度に速やかに方針テキストを更新して共有すること
  • 期待値を合わせて任せたら信じて待つこと

8月に入居した広々新オフィス。なのですが、すでにリモート併用でも手狭になってしまった・・・

2020年9月〜2020年12月:仕事への美意識

仕事をする上で大切にすべき美意識

チームメンバーが増え、事業が成長し、改めて考えたことがあります。それは、「チームとして大切にしている価値観は何か」ということです。10人を超えたチームはまだまだ創業期を支えているメンバーのみで構成されており、阿吽の呼吸で動けていました。ただ、言語化できていないその「雰囲気」を明示的に言語化することにより、チームが次のレベルに上がることができる確信を持ち、経営合宿を行いました。

時は10月、場所は千葉。それぞれの想いを持って集ったメンバーに伝えた言葉の要旨は以下のようなものです。

今日決めるValuesは、「自分がチームに対して、チームが自分に対して期待している働き方」です。これまで大切にしてきた、そしてこれからも大切にしていきたい信念を言語化しようぜ!!

合宿当日の様子

僕は各チームの議論には参加せず、どんなディスカッションがなされるのか、どんな切り口で検討を進めるのか、ワクワクしながら見ていると特筆すべきポイントを見つけました。

それは、Valuesを「価値観」ではなく、仕事をする上での「美意識」と捉えていた点です。こういう仕事がかっこいい、こういう生き様に誇りを持てる、という美意識はなんだろう?という視点です。その上で深夜に及ぶ激論の末、全員が納得して導き出した4つの美意識が以下です。

デザイナーのあらけんが作ってくれたカードデザイン

これからestieは、この美意識に基づいて仕事をし、仲間を讃え、そして新たな仲間を迎えていくことになります(毎月の振り返りで誰が一番それぞれのValuesスタンプをもらえたか、競い合う毎日です)。

2021年を見据えて

冒頭に記載した通り、月次売上収入は前年同期比25倍、東急・日鉄興和不動産・森ビルといった業界大手にも導入が進んだ2020年ですが、目指すべき未来に向けてはまだ道半ばです。

estieは、向こう3年前後で12兆円の商業用不動産市場のデータプラットフォーマーになることを目指しています。今の姿から見ると大いなる挑戦ですが、不思議とイケる気がしているし、そう思えるのはチーム、お客さん、パートナー会社、投資家のことを信頼しきれているからです。

しかし、あと何回も大きなジャンプを繰り返してようやく到達できるその目標には、まだまだ仲間が足りません。僕らが扱うのは「人が集い、価値を生む場所」のデータインフラです。大いなる挑戦に心躍るそこのあなた!!ぜひお気軽にDMをしてください!!!!待ってるぜ!!!!!

Twitter:@EiHirai

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